スネアドラムでオープンリムショットなしとありを叩き分ける練習

スネアドラムでオープンリムショットなしとありを叩き分ける練習

オープンリムショットとは、ヘッド(打面)とリム(太鼓の縁部分)を一緒に叩く奏法のことで、音を強調させる時に行います。

スネアやタムタムを叩く時はオープンリムショットをする・しないを使い分けて叩きます。常にやる人もいれば、あえてやらない人もいます。スネアの時はやるけどタムタムの時はやらない、リズムのスネアはやるけどフィルインではやらない、リズムパターンや音楽ジャンルによる、等々。ドラマー次第でいつする・しないかは変わりますが、総じて言えるのは『誰しもが使い分けている』ことです。

演奏をぱっと見ただけでは区別はつきません。教えてもらわないとなかなかわからない知識です。普段聞いているドラムの音が『実はオープンリムショットの音だった』というのはドラムあるあるの1つです。

自分が表現したい音がオープンリムショットを用いた音ならば、そのための練習が必要になります。それが今回の練習です。

■オープンリムショットの叩き方
・スティックの角度を意識する
・スティックのどの辺がリムに当たるかを意識する
・上記を意識しながらヘッドとリムを同時に叩く

スネアのセッティングにもよりますが、基本はチップ(先端)がヘッド(打面)の中心、またはやや奥になる位置が叩きやすいです。そこから表現したい音によって位置を調整していきます。

■一朝一夕では習得できない奏法
オープンリムショットは慣れないと思うように叩けない難しい奏法です。

【コツ】
1、ひたすら叩いて慣れる
2、スネアの角度を少し手前に傾ける

ヘッドとリムを同時に叩くのは思っている以上に難しく、ひたすら叩いて慣れる以外の近道はないでしょう。速くきれいな字を書きたいなら慣れるまで何度も練習する必要がある。同じことがこの奏法にも言えます。

セッティングにも気を使う必要があります。ドラムは楽器の位置や角度でやりやすさが大きく変わります。体型やフォームなども影響するので正確なことは言えませんが、スネアならほんの少し手前に傾けた方がやりやすくなると思います。

■音の違い
オープンリムショットなしの方は「タン!」というスネア本来の音が鳴っているのに対して、ありの音はそれに加えて「カン!」というリムの音も加わって甲高く輪郭のはっきりした音になっています。

■同じフォームを意識する
オープンリムショットをする・しないでフォーム自体は変わりません。ヘッドのみか、リムも同時かは叩く瞬間に選択すればいいだけで、そこに至るまでの動きは基本的に同じです。リムの有無でフォームを崩さないようにしましょう。フォームは変えず叩き方だけ変えます。

■同じ音を目標にする
なしとありの違いは明白ですが、あり同士でも微妙に違いが生じます。なしは比較的叩きやすいので音の違いは少ないですが、ありの方は練度がものを言います。普段から練習してなるべく同じ音を出せるようにしましょう。同じ音を目指すのはあくまで理想であって絶対ではありませんが、バラバラよりは統一感がある方が聞いていて心地よく違和感もなくなります。

■オープンリムショットをやる・やらないは自由
割合的にはやる人の方が多い印象ですが、それは人それぞれなので自由です。やる人は『やる選択』をして、やらない人は『やらない選択』をしただけです。奏法としては確立されている技術であり、できないよりできる方が表現力が上がります。重要なのは練習して習得した後にどうするかを選択すること。あくまで自分自身の音に対する考えでどう結論付けるかです。

■オープンリムショットの最終的な目標
・同じフォームで意図的に使い分けられるようになる
・なるべく同じ音で叩けるようになる
・奏法を習得したうえで自分が表現したい音で必要なのかを決める

十分に慣れていないと難しいのがオープンリムショット。重要なので普段から練習を怠らないようにしましょう。できるようになったうえで自分が表現したい音では必要なのか、そうではないかを決めましょう。決して「できないからやらない」「そもそも知らなかった」という状態にならないようにしてください。

※楽譜上ではアクセントの有無でオープンリムショットをする・しないを表していますが、これはあくまでわかりやすくしているだけにすぎません。アクセントがない時はやらないという意味ではないので注意してください。むしろ、書いていないことの方が多いです。ドラム譜の書き方はドラマー次第で微妙に変化します。案外アバウトだったりもします。どう叩くかはドラマーの裁量に委ねられるので自身で考え判断してください。

Kikuchi
ロック,HR/HM